反戦ミュージカルポスター逮捕事件

 なぜかweb上でほとんど話題になっていない、「反戦ミュージカルポスター逮捕事件」(勝手に命名、センス悪い)について。

 事件の概要は、神奈川県川崎市で劇団員がイラク戦争を題材としたミュージカルの告知ポスターを電柱に貼ろうとし、警官に声をかけられ謝罪、ポスターをはがしたところ現行犯逮捕。三日間の勾留後処分保留で保釈となりました。

 私がこの事件を知った「週間金曜日」(この名前を挙げることである程度以上の色眼鏡で見られることを自覚した上で)のニュース欄、「金曜アンテナ」から当事者の証言を引用。

「警察官に声を掛けられ、すぐにポスターをはがして謝った。すると名前と住所を言うように強く迫られたので、『弁護士と劇団員に連絡を取りたい』と主張したが、まったく聞き入れてもらえなかった」

「取調べでは『イラク、非武という勇気とはどういう意味か』『黙秘を使うのは過激派やオウム真理教のような団体だ』など、「逮捕容疑とは関係のない思想信条について延々探られた」

 この事件の問題はいくつもあり、まず氏名・住所を聞かれたことに対し弁護士・劇団への連絡を求めたことによる逮捕。この程度の条例違反で逃亡の恐れがなければ逮捕する必要は無いはずで、所属を明らかにすることにもなる弁護士等への連絡を拒否しての逮捕は不当。
 逮捕後も弁護士への連絡を拒否するという警察による憲法34条違反。
 取り調べの際の事件とは直接関係無い思想信条の追求。
 他にも様々なポスターや看板が貼られているなかでの狙い打ちっぽさ。
 仮にポスターを貼ったこと自体への処罰は仕方ないとしても、あまりに問題が多すぎやしませんか?なのに何故これほど無視されているのでしょう。

 もし、ありとあらゆるポスター・看板などが厳しく取り締まられており、思想信条に関係なく容疑者は同様の待遇を受けさせられるというならまだ筋は通っていると言えるでしょう(認めることはできなくとも)。しかしどうやら反戦をアピールする活動が狙われたようであり、激しい気持ち悪さを感じます。反戦を訴えることが公権力に目をつけられるって、ここは何という国ですか?あえて言うなら「えーっ、何これ!キモいよ、キモーい!」ってとこでしょうか。

 今度現役警察官の友人にこの事件の疑問点を突きつけてウザがられようと思います。