「世界一受けたい授業」を見て

 土曜は晩飯を食いながら「世界一受けたい授業」という番組を少しだけ見ていました。

 見始めた時やっていた内容が「“メタファー”を使おう」というようなものでしたが、ちょっと疑問を感じました。
 別に文学で使われたり日常会話で面白く話すためなら何の問題もありませんが、物事を正確に伝えるために使うのに役立つでしょうか?番組でも使われていた「海」というメタファー。しかし海から離れた場所に住んでいる人と海辺に住んでいる人とでは、「海」のイメージは大きく違うはずです。また、私が色彩の勉強をしていたとき、「青色」は日本人にとっては寒いイメージですが、インドなどでは晴れた青空を表すものであり暑いというイメージがあると聞きました。同じ言葉・物でも人によってイメージが違うなら、正確に物事を伝えるのには不適切だと思います。
 また、議論などで「たとえ話」は議論の本質をはぐらかすのによく使われ、使うべき場所はよく考える必要があるでしょう。
 さらに「恋は勝負」というのはメタファーなんでしょうか?「勝負」は物事を勝ちと負けに分け結果を決めることなのだから、人によっては「恋は勝負」はメタファーでもなんでもなくありのままだと言えそうです。

 でまあ、そんなことならわざわざこんなところで採り上げる必要はないのですが、その後の展開が非常に面白かったのです。“メタファー”の話が終わった後、動物の生態についての内容が始まったのですが、初めに出てきたのが「おしどり」の話でした。
 「おしどり」は仲の良い夫婦のメタファーとしてよく使われますが、実際の「おしどり」は仲の良い夫婦でもなんでもないとのこと。…前の内容が台無しだ!これには笑ってしまいました。
 まあ日本では「おしどり」=「仲の良い夫婦」というイメージが定着しているので問題はないでしょうが、外国人に対して使ったら、しかもその人が「おしどり」の生態に詳しい人だったら…。

 この番組構成が狙ったものだとしたら素晴らしすぎます。「たとえ話ばかりしていると馬鹿にされますよ」という忠告だったりして(考えすぎ)。