セカンドレイプ

 「男女混合名簿」が引き起こすモノ(「伊勢崎のジャンヌダルク」)

 id:kemu-riさんの事件をダシにして「男女混合名簿反対」を主張する政治家(煙)経由で知り、「これはひどいなあ」と思っていたら、あっと言う間に話題となったエントリーです。なんだか今更な感じですが、やはり採り上げないわけにはいきません。

 “男女混合名簿と性犯罪を豪快に結びつけるトンデモ理論”や“世界中のほとんどの国が男女混合名簿を採用していることを無視している”なんてのは他の方々がすでに指摘していますし、読めば「この人は論理的に物を考えられないかわいそうな人なんだなあ」とわかることなのでツッコミませんが、それらよりもっと重要な問題があります。

 すでにid:makinamikonbuさんが『モデル募集サイト』で少女の被害が増加」するのは、「女性の方にも問題がある」などとのたまう「伊勢崎のジャンヌダルク」への怒り(こんぶダイアリー−キーワードも飛び出す爆走ブログ)で指摘なさっていますが、性犯罪被害者に対する中傷と加害者擁護です。事件の詳細な検証も行わず(新聞記事の鵜呑み)被害者側に非があるというような内容はあまりにひどすぎます。
 何も被害者を批判するなとは言いません。時には被害者の非を責めることも必要でしょう。しかしまずしっかりと事件を検証し、しっかりと加害者側を批判してからが筋です。私には被害者に責任を転嫁した加害者擁護にしか読めません。
 このような内容を、ブログという公の場で、しかも市会議員という責任ある立場の人間が垂れ流すとは…。

 …いやいやそれよりも…。“セカンドレイプ”とは法廷や取調べで性犯罪被害者が精神的に傷つけられることを言います。しかし性犯罪被害者が二重の苦しみを受けるという意味では上記のエントリーも“セカンドレイプ”ではないでしょうか。
 性犯罪の被害を受け、その上「破廉恥だった」などと批判される被害者の心情は、性犯罪に遭いにくい男の私には想像すらできません。

 伊藤氏に習って何の根拠も無く持論を述べさせてもらうと、“このような性犯罪被害者を中傷する発言によって泣き寝入りする被害者が後を絶たず、それが加害者の増長を招き結果として性犯罪を助長させる”とも言えると思います。
 もちろん何の根拠もありませんが、伊藤氏の“男女混合名簿が性犯罪を招く”というトンデモ理論よりもまだマシだと思います(もっとも、少なくとも未成年による性犯罪は減っているんですけどね!)。

 しかし男である私が女である伊藤氏をこのように批判していると、“男らしさ・女らしさ”ってなんだろうなと思います。
 ちなみに、思考停止、論点ずらし、ジェンダーフリーへの誤解、純潔教育!などツッコミどころ多数な異論に「反論」(「伊勢崎のジャンヌダルク」)も併せてお読みください。