遊戯王デュエルモンスターズGX 第82話 「三沢VS万丈目 アサルト・キャノン・ビートル」の感想

 上で縞木さんのところにリンクしたついでに、アニメの方でも絡んでみます。
 縞木さんはこの回をかなり批判的に書いておられますが、私の印象は全く逆で、非常に良くできており、三沢というキャラクターも良く描けていると感じました。

 最近の三沢の扱いがこの回に集約されているというのは全く同感。制作サイドがどれほど意識していたかは知りませんが、結果的に三沢の“影薄いキャラ”としてキャラ立ちさせられていたことが布石として今回の話で上手く回収されています。今回の序盤のエリート意識丸出しの三沢は昔なら違和感が生じるところですが、布石によって他人の目を過剰に意識するようになることが自然な描写でした。

 デュエルシーンそのものは、三沢は昔のデッキの使い回し、サンダーは良くわからないユニオンデッキ(これならXYZデッキを使うべきでしょう)、展開そのものもありきたりであまり面白くは感じませんでしたが、見所はやはり最後の「魔法の筒」。デュエルに勝ってこれまでの扱いを受けるか、負けてエリートの地位を得るかで葛藤する辺りはとても面白く感じました。
 結局負けを選んでエドにボロクソに言われていましたが、私は人間的な弱さが描かれているキャラクターに惹かれるので、今回の三沢にはかなり愛着を感じました。また、視聴者に対しては三沢が実力のあるキャラクターだということを認識させられているのも良いです。ラストの白い制服を羽織って十代を睨む三沢は、馴れ合いを拒否したというニュアンスも汲み取れて、格好良く感じました。

 いつものバカっぽい話からすると少し浮いた感じはしますが、伏線の使い方や話の展開が上手く、めずらしく“普通に面白い”内容だったという印象です。