「SHADOW OF INFINITY」の感想2

 今回も「SHADOW OF INFINITY」収録カードについて書かせてもらいます。
 しかしやはり私はズレているようですね。今回のパックが超優良パックに思えて仕方ありません。バランスに気を遣いながら、今までに無いような効果をいくつも繰り出していて、非常に頑張っていると感じました。
 まあ私がズレているのはいつものことなので今更驚きませんが、私のようなタイプの人間がちゃんとこういったパックを評価しないと、またヤバイカード満載のパックとかが出かねませんからね(いや、所詮少数派なので結局出るんでしょうけど)。ユーザーのニーズもゲームバランスに大きく関わっていることを忘れてはいけません。

 では今回も20枚感想を。

「サイクロン・ブーメラン」:

 専用装備カードにしては攻500UPは低いように感じますが、追加効果が良い感じですね。普通装備カードは装備モンスターが破壊されるだけで2枚のカードを損することが大きな欠点でしたが、その点を補えるのは評価できるでしょう。普通のデッキなら攻2000を戦闘で破壊できるのは「サイバー・ドラゴン」くらいで、効果で安全に破壊できるのは「D.D.アサイラント」くらい…って結構ありますね。でも「E・HEROワイルドマン」を中心にしたデッキなら良い働きをするでしょう。

「因果切断」:

 「サンダー・ブレイク」・「鳳翼の爆風」と比べると除外効果で勝りながら柔軟性で劣り、「ブラック・コア」とでは発動タイミングで一長一短、後は墓地の同名カード除外をどれだけ評価するかですね。「黄泉ガエル」が流行するようなら、十分に採用価値はあると思います。

「オプションハンター」:

 元ネタのゲームでは素晴らしく嫌な敵なのですが、OCGでは何故か回復効果になっています。フィールド上の「オプション」1体を破壊する、なんて効果でなくて良かったです。
 それはどうでもいいとして、何故あちこちで「神秘の中華鍋」の下位互換とされているのか分かりません。同じ状況で「中華鍋」を使うと相手の攻撃が通ってしまうのですが…。
 使い方の理想的な1例としては、「ゴブリン突撃部隊」でダイレクトアタック→相手のターンで「ゴブ突」戦闘破壊・「オプハン」発動、2枚消費でライフポイント4600の差がつきます。トドメをさせる状況以外ではわざわざ守備表示の「ゴブ突」に除去カードは使わないでしょうから、発動はしやすいと思います。
 使い方は限られてくるとは思いますが、戦闘のフォローの選択の一つとして数えられるでしょう。

「ゴブリンのその場しのぎ」:

 これは面白いカードですね。基本は「魔封じの芳香」でしょうが、今後コストの大きな魔法カードが流行ることも十分考えられるので、忘れてはいけないカードだと思います。

「誤動作」:

 これも面白いです。「神の宣告」は普通によく使われますし、対象が罠カードなので再び1ターン経過しなければならないので、「その場しのぎ」以上に使い易いでしょう(終夜さんの指摘で修正:そのターンで発動可能です)。

「ガエル・サンデス」:

 なんで「黄泉ガエル」なのか!って感じですね。「カエル」系は相互の関連性が高いので、このカードの効果ももうちょっと工夫して欲しかったところです。残念。

「E・HEROバブルマン・ネオ」:

 制限カードがなければ呼べないのは問題です。また、ステータスが低いのだから単体でも戦闘破壊されない効果があっても良かった気が。今後のサポートカードに期待。

「ヒーロー・キッズ」:

 とりあえず「遺言」で3体呼べるので、色々と利用価値はありそうです。どうせなら強制効果にしてダメージステップでも発動して欲しかったですが。

「古代の歯車」:

 アニメに登場していたのを忘れていたので、ネーミングに笑ってしまいました。
 まずどうやって手札に「歯車」を集めるのかが問題ですが、ステータスの低さも辛いですね。単に効果のみを目的とするなら、「首領亀」の方が総合的に使い易いでしょう。できれば星の数を4にして、「古代の機械工場」と組み合わせ易くして欲しかったです。

「古代の機械砲台」:

 まず簡易「大寒波」として魔法カード的に使えるのが良いです。そして「遺言状」、ひいては「地獄の暴走召喚」への布石として効果自体の親和性も併せて優良なカードです。
 最近個人的に「遺言」のトリガーをどうしようかと悩んでいただけに、有り難い存在です。ただモンスターカードとしてカウントしづらいので、デッキ構築の際はバランスに気をつけないといけませんね。

「機械王−プロトタイプ」:

 「レベル制限B地区」・「グラヴィティ・バインド−超重力の網−」を前提とするなら良いステータスでしょう。意外とロック型の『機械族デッキ』が作れるかも?
 今回のパックは星の数3でアタッカー候補となり得るカードが幾つか見られますが、そろそろロックカード以外での星の数3以下のカードの活用方法が増えても良い気がします。

「異次元の案内人」:

 除外効果よりも、コントロール移行効果が目を引きますね。単体でコントロールを変更するカードはそうそうないので、面白いコンボを作れるかもしれません。

「チェイン・スラッシャー」:

 攻撃力がちょっと足りないような気はしますが、最高3回攻撃、貴重な風属性戦士族など、興味を引かれる点は多いです。

「封魔の伝承者」:

 それなりに殴りに行ける攻撃力に実質的な除去効果があり、柔軟に使っていけるのではないでしょうか。フォローカード次第で化けるかもしれません。
 今回のパックに多く見られる「自分の墓地に存在する〜」という系統を有効に活かそうと思ったら、「黄泉ガエル」対策も兼ねた「デビル・コメディアン」などが挙げられますね。

「天下人紫炎」:

 確かに「増援」などが使えないので「ワイルドマン」の下位にも思えますが、その辺は捉え方次第。冷遇されている炎属性、または炎族の優秀アタッカーであり、また、「ワイルドマン」がデッキに最高6枚積めるとも言えます(どんなデッキだ)。こういったカードは各属性に均等に出しても良いかと思います。

「寄生体ダニー」:

 「スケープ・ゴート」+「おジャマトリオ」で攻3500。これを高いと見るか低いと見るか…、やっぱり低いですか。

「ゴキポン」:

 昆虫族には「共鳴虫」という専用リクルーターが居るのに、さらに手札への専用サーチカードまで出るとは。「代打バッター」の存在も含めて、モンスターを意志通りに操れるという点では戦士族に匹敵し始めているのでは。さらにこれらの墓地発動カードを有効利用できる「デビル・ドーザー」が存在するのだから、至り尽くせりですね。

「静寂虫」:

 この効果は対ロックカードだけでなく、自分にも影響のあるカードのON・OFFの切り替えなんかにも使えそうです。ステータスの低さ故に使いづらさはあるでしょうが、それをフォローしてまで使う価値はあると思います。

オオアリクイクイアリ」:

 不覚にも名前で笑ってしまいました。明らかに狙ったもので笑うのは悔しいです。さらにイラストもアリクイ美ちゃんが!…ってまたマイナーなネタを。
 これは今パックの中でもトップクラスに面白いカードです。3枚消費しての特殊召喚ですが、そのコストを逆利用する方法は色々とあるでしょう。「静寂虫」と同じように永続魔法・罠カードの切り替えにも使えますし、直接的に利益を得るなら「おジャマジック」も良さそうです。他にも何か無いか考え中。
 効果は発動タイミングがよく分からないのでなんとも言えませんが、スタンバイフェイズでの発動なら、このカードで安全を確保してから他のモンスターを通常召喚するなど、利用価値は高いですね(テトさんの指摘で修正:メインフェイズでの発動、スタンバイフェイズというのは根本的な間違い)。

「セイバー・ビートル」:

 十分なステータスに貫通効果、実にストレートなカードですが、上級の選択肢が増えるのは良いことです。さらに昆虫族は上級を出しやすいので存在意義は大きいと思います。星の数が5だったら…、というのは望みすぎですかね。
 なにげにイラストがカッコイイので、「暗黒ドリケラトプス」よりも人気が出そうです。